研究・ゼミ紹介

【経営学プログラム】中小企業の海外市場での価値形成メカニズム研究 ~広告を通して文化的差異を探る~

2020年07月31日

経営学プログラム
研究

 広告の内容分析には2つ比較分析種類があります。1つめは国・企業などの横断的比較で、2つめは時代の比較などの時系列比較です。私がこれまでに行ってきた研究は前者の国を跨いだ異文化間の比較です。広告は言語とコミュニケーションに基づくために、マーケティング・ミックスにおいては最も文化に依存するため、特に地域の中小企業が外国の文化に適応しようとするときに、適切なコミュニケーションをとることが、その企業の今後の海外市場での存続を大きく左右します。例えば、日本の広告は微妙な比較の枠組み内で、広告における表現を繊細に作り上げています。中国の文化的価値は広告の中でステータス象徴を強調されることが多くみられ、2国間の訴求ポイントが対照的になることがあります。
 マーケティング・コミュニケーションの大部分を占める広告は、文化的・社会的背景が関係していて、時代とともに変化するものであるため、広告戦略や広告表現をグローバル基準に合わせるべきか、ローカル適応するべきか常に考える必要があります。成功しているグローバル・コミュニケーションでは、企業イメージをどのように確立してきたのか、その価値形成メカニズムを探り中小企業の海外展開の最適マーケティング・コミュニケーションを考えます。

張 文婷 講師
経済科学部 経営学プログラム

※掲載内容は取材当時のものです